『薔薇王の葬列』10周年スペシャル ディナーショー

先生と斎賀さんが座っていた席


【はじめに】

このレポートはディナーショー当日に必死に書き留めた手書きメモを1週間後に入力したものです
一部メモを紛失してしまい1週間前の記憶を頼りに書いている部分もあるので、順番が前後していたり誰が話していた内容か混同していたりする可能性もあります。間違いも多々含まれているかと思いますので予めご了承下さい

素晴らしい薔薇色のフルコースについてはこちらをご覧下さい

neige1483.hatenablog.com

 

ディナーショー概要

開催場所・日時

2023年10月20日(金曜)19:00~21:00
横浜 マリンタワー3階 THE HOUSE

出演者

司会:バンダイナムコアーツ プロデューサー鳥居玲さん(以下、鳥居Pと表記)
菅野文先生
声優 斎賀みつきさん
玖島ローズ代表取締役 玖島悦子さん

会場前のロビー

開場のロビーに装花やアニメのBlu-rayボックス、昨年GINZA SIXで玖島ローズさんとのコラボの際に菅野先生が書き下ろした色紙と斎賀さんのサイン色紙等が飾られていた

プレゼントは受付で預ける(直接ゲストに渡すことはできない)

菅野先生描き下ろしのBlu-rayのジャケットが美しい

2022年玖島ローズさんコラボの際の色紙

会場内

当初の先着50人のチケットはなんと3分で完売(私は幸運にもこの時席を確保できた)

しかしファンからの強い要望で席数を増やし、最終的に72人分の席を販売して頂けることになった
会場は丸テーブルに8人ずつ、指定された席札がある席に座る
テーブルにコースターが裏返しの状態で置かれておりお土産として持ち帰ることができた

コラボグッズの販売

会場で玖島ローズさんとのコラボグッズや薔薇を使った商品の販売があり、購入希望者には事前に整理券が配布された

ディナーショー終了後、整理番号順に商品のお渡し

アクリルスタンドやお買い物特典の絵柄は玖島ローズさんオリジナルのもの

こちらは2022年の玖島ローズさんアフタヌーンティー@GINZA SIXで購入した/特典で頂いたコラボグッズ
この絵柄のグッズが当日販売されていた(アクリルスタンドはブラインド)

 

限定コラボ商品:    
香るバラのしずく 2,970円
ローズキャンディ 1,620円
アクリルスタンド(ランダム7種、ブラインド商品)770円
リチャード、バッキンガム、ケイツビー、ヘンリー、ティレルエドワード王子、エドワード4世

お買い物特典
5,000円以上:クリアファイル
7,500円以上:コースター全8種
10,000円以上:缶バッジ

その他、薔薇のジャムやローズバター、ローズティー、ローズライフバランス、ボディフレグランス等、玖島ローズ商品も販売

 

トーク内容

玖島ローズ代表 玖島悦子さんからお料理のご紹介

(玖島社長は大輪の薔薇のように華やかな存在感のある方だった)
コース料理は赤薔薇と白薔薇をイメージした
自社で無農薬栽培したウィリアムシェイクスピア2000、イブピアジェ Yves Piagetという食用薔薇を使っている
白薔薇は酸味があったりポリフェノールが多い赤薔薇は軽い苦みがあったりとどちらも食用には向かない
白薔薇を表現するために白薔薇を象ったマッシュポテトや魚料理に力を入れた
デザートにはリチャードに捧げる苺パイで、薔薇の粉末を入れている
苺のタルトやケーキはよくあるがパイは少ない
薔薇は国によっては漢方としても使われている
薔薇にはリラックス効果があり食べると体温が上がるので眠くなる人もいるとか

 

玖島ローズさんと『薔薇王の葬列』がコラボするようになったきっかけは、鳥居Pがウェブサイトのお問い合わせページで依頼したことから。玖島ローズさんの従業員から薔薇王を知ってる、この企画をやってみたいという声が上がって企画がスタートした

司会鳥居Pによる祝辞の読み上げ

(鳥居Pは中性的なお名前で、男性かと思っていたら若く綺麗な女性で驚いた)


最初のメッセージ、「フルートの音色」「タペストリーのように」等美しい詩的な文章でどなたかと思ったら…
萩尾望都先生からの祝辞だと発表された時、会場全体がざわつき、先生も驚き感極まっていらっしゃった

 

阿部川キネコ先生(公式パロディ「薔薇王の学園」の作者)の祝辞
次に連載当初からのファンである旨の熱いファンレターのような愛のこもった文章だった

緑川光さん(ヘンリー6世役)の祝辞

杉田智和さん(バッキンガム役)の祝辞
「見えない糸で繋がれた想い 見える鎖で繋がれた想い」 「愛と憎しみの荊棘が絡みつく」「また会える」等、本編中のバッキンガムを思わせる詩的な文章だった
鳥居Pがこれを読み上げる時緊張していたとおっしゃつていた

 

アニメのキャスティングについて

斎賀みつきさん(リチャード役)

斎賀さん:

元々ドラマCDでリチャードの役をやっていた
菅野先生を『オトメン』の作者として認識していたので当初仕事の話があった時明るい漫画かと思った
明るいものからしっかりしたものまで描くのですごい漫画家だと思った
菅野先生に会った時先生はリチャードそのもので、"自分でリチャードをやればいいじゃん"と思った

鳥居P:
斎賀さんの続投は制作側で決めており、キャスティングは斎賀さんを軸に考えていた
菅野先生もご指名だった
"男の子っぽい女の子"でも"女の子っぽい男の子"でもなく、男装の麗人ではない感じが良かった
更に王の時は"王の声"で演じられるのが良い

杉田智和さん(バッキンガム役)

斎賀さん:意外なキャスティングだと思った
鳥居P:杉田さんはチャレンジ枠
菅野先生:もう少しセクシーにとお願いした
斎賀さん:杉田くんはエロ担当

杉田さん的には薔薇王は場違いだと思っていた
バッキンガムとして生き、バッキンガムとして死んでゆく
自分が演じるバッキンガムがどんなに重要な役か自覚していた

アニメのアフレコについて

鳥居P:
アフレコは2021年夏で企画が始まってから5~6年経っていた
菅野先生は毎回リモートでアフレコに立ち会っていた
アニメが完成するまでに原作がまだ終わっていなかったので菅野先生に協力してもらった

斎賀さん:
アフレコが終わった時、原作の最終回が掲載された雑誌はまだ発売されていなかった

菅野先生:
"ここは絶対"というところは伝えられた
杉田さんにもう少しセクシーにしてくれと伝えた
最終回は何も言わなかった

 

斎賀さん:
コロナで全員と共演するのが難しかったが、キーになる部分は一緒にやらせてくれた
演技は掛け合いなので共演すると作品に深みが増す
内匠靖明さん(ジョージ役)はいじられキャラ
ジョージは一番現代人っぽくみんなが共感できるキャラで癒し
緑川光さん(ヘンリー6世役)は癒しキャラ、薔薇王はすごく好きな世界観と言っていた
声優はベテラン勢が中心だが鈴代紗弓さん(アン役)のような若い方もなじんだ
舞台版は鈴代さんと一緒に同日のマチネとソワレを両方観た

 

この10年で変わったこと・変わらなかったこと

菅野先生:
連載を長くやった感覚が無い、楽しく描けた
最後は忙しくて辛かった記憶
一番気に入って納得いく作品が描けた
担当の山本さんは最初に会った時は若かったが素敵なレディになった

 

菅野先生は、薔薇王第一部で斎賀さんとのトークイベントを開催した時に着ていた服を今回も着てきたとおっしゃっていた
(そのイベントに来ていた人は挙手をうながされ、自分のテーブルからも何人か手を上げていた)
何年も前と体型が変わらないことに会場がどよめく

 

菅野先生:
この10年で変わらないことの方が多い
髪の色はよく変わる
小学生の頃から気持ち的には変わっていない
薔薇王は自分が中学生の頃に読みたかったものを描いている
中学生の頃の自分が読んだら喜んだと思う

ドラマCDは憧れだったので実現した時はすごく嬉しかった
薔薇王のアニメ化が決まった時は漫画家人生でもトップクラスに嬉しかった

10年描き続けていて終わった気がしない
薔薇王はこれからもずっと付き合っていく作品

 

アナログとデジタル

ペン入れまでアナログで描き、デジタルで仕上げている
アナログでしか出せない線があり、アナログの方が絵を描いている実感がある
絵を描く楽しさ・実感はデジタルでは味わいにくい
デジタルはペンの感触が違う
絵を描く楽しみはアナログにしかない
しかし最近老眼を感じるようになり、デジタルだと拡大できて良い
ゆくゆくはデジタルのみになる可能性も
(斎賀さん:アナログは人間の温かさを感じる 菅野先生の線の力強さを感じる)

 

戦う王と前線に立たない王、歴史の転換点

斎賀さん:
最初から最後までリチャードの一生を演じることができ濃厚な時間だった
リチャードとの出会いに感謝
リチャードは戦場で闘うが、あいつ(リッチモンドのこと)は奥に引っ込んでいて戦わず、彼以降の王もみんなそう。そういう際が描かれている


アンちゃんの決意のシーンが観たかったがアニメでは削られてしまった 斎賀さんの好きなシーン

 

アニメのお気に入り場面

(映像は流せないとのことで、プロジェクターに静止画像を映しながら)


斎賀さんのお気に入り・その1

(プロジェクター画像:父上、エド兄、アン、子エドの4枚)

斎賀さん:
家族とのほっこりした場面が好き、こういった場面があると物語に深みが出る
「ひとりいないけど大丈夫?」酒に溺れるジョージの絵が無いけれどと
鳥居P「ジョージはみんなの心の中に」

 

斎賀さん:
父上とのシーンはリチャードが人としての心を持つために必要
息子(子エド)は可愛い


菅野先生:
客観的に(子エドは)とても可愛いと思った

 

斎賀さんのお気に入り・その2

(プロジェクター:ヘンリーとの雨宿りと森の中の場面が4枚)


斎賀さん:
リチャードが一番リチャードらしい場面で好き
ヘンリーとお互い素の状態、自分を取り繕わない
リチャードはバッキンガムといる時は厳しい顔をしているが、ヘンリーといる時の方が顔が優しい

菅野先生:
思春期のリチャードは素直に自分を出していた時期

 

菅野先生のお気に入り

(プロジェクター画面:戦うリチャード4枚)


菅野先生:
リチャードは戦場で死んだ最後の王で、そのことは自分にとって重要だと思っている
戦うリチャード、斎賀さんの声が迫力があってかっこいい
リチャードに仕えている兵士は斎賀さんの声に鼓舞されるだろう

斎賀さん:
辛い場面だがリチャードは自分を奮い立たせている

 

10周年記念複製原画展の描き下ろしイラストについて

薔薇の本数は(花言葉の意味を含めて)制作側から指定があった
リチャードは5輪、バッキンガムは1輪、ケイツビーは7輪

10周年記念複製原画展のパネルは白薔薇の本数に注目

質問コーナー

(1)外伝「王妃と薔薇の騎士」を描いていて印象が変わったキャラクターは?

菅野先生:
描いているうちに全員印象が変わった 
特にマーガレットはこれまでの人生で様々なことがあったのだろうと思った
キャラクターと対話しながら描く
"こういう想いがあったんだ"と描いていて初めて気づく
ヨーク公とウォリックはここまで悪かったとは思っていなかった

 

(2)ヘンリーの好きなところと苦手なところは?

("ヘンリー推しです!"とハキハキと質問されていた)

 

斎賀さん:
自分の足りないところを埋めてくれる存在
史実では心弱い存在だが、それを上手く優しさというオブラートで包んでいる
優しさゆえのダメさ
支えてあげたくなる
どんなに酷いことをされても嫌いになれない

 

菅野先生:
ヘンリーは複雑、自分の中で身内みたい
以前インタビューでヘンリーは情けない王だと言われ腹が立った
彼の平和を願う気持ちを評価してもらいたい


(3) 先生も原作のリチャード3世が悪役として描かれていことに違和感を持たれていたのか?

(質問者の方が映画『ロスト・キング』をご覧になっていたということで)

 

菅野先生:
"何故悪役なのだろう?"と映画のフィリッパ・ラングリーと同じ気持ちだった
リチャードがあまりにもひどく描かれているので、怒りを感じていた
シェイクスピアが書いたことは本当はリチャードではなくヘンリー7世がやったことではないのかと思ったので、ボズワース前夜の悪夢はヘンリー7世が見たものとして描いた

 

抽選会

アニメの台本(11、12、22、24話)
玖島ローズさんの商品
菅野先生のイラスト色紙と斎賀さんのサイン色紙

 

当選された方に色紙の写真を撮らせて頂いた(感謝!ありがとうございます)

菅野先生の色紙

先生の挨拶と斎賀さんからの花束贈呈

菅野先生はプラチナブロンドに近いキラキラしたショートカットで、黒いシックな服が似合っていた

斎賀さん、かっこいい!

(斎賀さんは菅野先生が召し上がる時間を確保するために自分の分はささっと召し上がってトークで会場を楽しませていたりして、オトコマエでした)

 

 

 

横浜マリンタワー